放射線と放射能の違い

福島第一原発の事故以来、放射能に関する話題が報道されるようになりました。

しかし、専門的な用語も多くいまいちわかりにくいのではないでしょうか?

放射線や放射能についてわかりやすく解説します。

放射能と放射線の違い

「放射能」と「放射線」は字は似ていますが、意味はぜんぜん違います。

  • 放射能は放射性物質が放射線を出す能力のことを指します。
  • 放射線は放射性物質から出てくる粒子や電磁波エネルギーのことを指します。

つまり使い方としては、

  • 間違い:放射能が飛んでくる、放射能を浴びる
  • 正解 :放射線が飛んでくる、放射線を浴びる

となります。

もう少し具体的に違いを解説

この2つの言葉はよく懐中電灯に例えられます。放射線も電磁波の一種、つまり光の仲間です。

懐中電灯と放射線

「放射能」は放射線を出す能力のことです。懐中電灯で言えば光を照らす能力です。つまりどれだけ明るく照らせる懐中電灯かに相当します。

「放射線」は放射性物質から飛び出してくる粒子や電磁波エネルギーのことを指します。懐中電灯でいうと光そのものです。

この2つはよく混同しがちですので覚えておきましょう。

※ 場合によっては放射能を放射性物質の代名詞として使うこともあります。

例)放射性物質による汚染 → 放射能汚染

原子の構造と放射線がでる仕組み

原子の構造

世の中にあるすべての物質は原子からできています。鉄は(Fe)、水(H20)は水素(H)と酸素(O)からできています。

つまり原子は一番小さい材料ということになります。

現在確認されている元素の周期表です。世界中で新しい元素の研究がされており、今後も増えていく可能性があります。

<原子の基本的な構造図>

酸素原子を例にあげてみます。酸素原子は周期表上8番目の元素です。原子の中心には原子核があり、陽子と中性子があります。この2つは通常同じ数存在します。また、原子核の周りには一定の距離をおいて電子が回っています。この電子の軌道(通り道)は電子殻と呼ばれ内側からK殻、L殻、M殻、N殻・・・となっています。
電子はこの軌道を回りますが各殻に入れる電子の数はK殻は2個、L殻は8個、M殻は18個・・・となっています。

原子核にある陽子はプラスの電荷をもっています。中性子は電荷はもっていません。周りを回っている電子はマイナスの電荷をもっています。よって陽子と電子の数が等しいとその原子は電気的にプラスマイナスゼロの中性となります。陽子数=中性子数=電子数であるときは、原子にとってもっとも安定した状態です。

原子の重さと化学的性質

原子を構成するもののうち、電子は非常に軽くほとんど重さがありません。
よって原子の重さは原子核にある陽子と中性できまります。陽子と中性子の重さはほぼ同じです。

電子の数は基本的に陽子の数と同じですから、酸素原子の電子数は8となります。
陽子の数はその原子(元素)の化学的特長を決定します。つまり原子(元素)の種類・特徴を決めているのは陽子の数(原子番号)になります。

安定同位体と放射性同位体

さて、あまりなじみの無い言葉ができてました。安定同位体と放射性同位体について説明します。
原子の種類(特徴)を決めているのは陽子数(原子番号)と説明しましたが、陽子数は同じでも中性子数が違う原子が存在します。
酸素原子を例にしてみます。

この2つは原子番号(陽子数)が同じなので化学的な性質は同じです。電子数も同じです。
違うのは中性子数だけです

先ほど陽子数=中性子数=電子数のときに最も安定しているという話をしましたが、右側の15Oは陽子や電子に比べて中性子数が1つ少ないです。この状態は原子にとって不安定です(不安定な理由は省略します)。

不安定な原子は安定な原子になろうとします。そこでおきるのが放射性壊変です。放射性壊変によって原子は安定な状態になることができます。

原子番号が同じで化学的性質が似ていても、安定した原子と不安定な原子が存在すことになります。この時お互いのことを同位体と呼びます。そして、安定な同位体を安定同位体、不安定で放射性壊変を起こす原子を放射性同位体と呼びます。

放射性壊変

放射性壊変にはいくつか種類があります。どの壊変を起こすかは同位体の状態によります。

中性子数>陽子数
β-崩壊
; 安定同位体よりも中性子が多い核種でおきます。通常ベータ壊変はこの現象を指します。
; 中性子が電子(ベータ線)とニュートリノを放出して陽子になる現象です。
; 原子番号が一つだけ増えて、中性子数が1つだけ減り、質量数は変化しません。

陽子数>中性子数
β+崩壊
; 安定同位体よりも中性子が少ない核種でおきます。陽電子崩壊とも呼びます。
; 陽子が陽電子とニュートリノを放出して中性子になる現象です。
; 原子番号が一つだけ減って、中性子数が1つだけ増し、質量数は変化しません。

軌道電子捕獲(EC:electron capture)
p; 陽子が軌道上の電子を捕獲して中性子に換わり、ニュートリノと特性X線を放つ壊変です。
; 壊変後原子番号が一つ小さい元素に変化します。

α壊変
質量の大きい核種がα粒子を放出する壊変です。
アルファ粒子はヘリウム4の原子核であり一つの原子が二つの原子へと分かれる核分裂反応ととらえることもできます。質量数の大きな核がα粒子と残りの原子核に分裂しますが、壊変する前の核種を親核、壊変後の核種を娘核といいます。2個の陽子と2個の中性子からなるα粒子が放出されるので壊変の前後では、質量数が4減り、原子番号は2減ります。

放射性崩壊と放射線

放射性壊変によって核種は安定化します。壊変前の核種を親核種、壊変後を娘核種といいます。

壊変によってできた娘核種には、まだ過剰なエネルギーが残っています。このエネルギーは放射性壊変直後に放出されます。これはガンマ崩壊と呼ばれガンマ線つまり放射線が放出されます。

放射性壊変については放射線がでるしくみで解説しました。

壊変にはいくつかの種類がありますが、それによって放出される放射線の種類が違います。

α壊変によって放出される放射線はα(アルファ)線です。
β壊変によって放出される放射線はβ(ベータ)線です。その後,余剰エネルギーがγ(ガンマ)線として
放出されます。
軌道電子捕獲(EC)によって放出される放射線はγ(ガンマ線)です。

α線は、質量が大きく物質に与える影響は一番大きいです。放射線として飛ぶ距離である飛程(ひてい)は一番短いです。
紙などで簡単にさえぎる(遮蔽)することができます。
β線は、ベータ粒子なのでα線ほどではないですが物質に与える影響は大きいです。飛程は数mmとかなり短いです。
厚いアクリルやアルミニウムなどの薄い金属版でさえぎる(遮蔽)することができます。<γ線は電磁波の一種です。α線やβ線にくらべて物質に与える影響は少ないですがエネルギーによっては大きな影響を与えます。飛程はかなり長いです。また透過率が高いため厚い金属や原子番号の高い鉛でないとさえぎる(遮蔽)することはできません。
中性子線核分裂反応や粒子加速器により発生します。中性子の粒子線のことを指します。電荷は持っていない。物質にぶつかるとエネルギー失い熱中性子となりまする。中性子線のエネルギーは中性子と同程度の質量を持ち原子核との衝突で効率的に吸収される。よって中性子線をさえぎる(遮蔽)するには水素原子を多量に含む水(巨大な水槽に沈める)やコンクリートなど厚い壁が必要です。
放射線の種類関西電力 http://www.kepco.co.jp/bestmix/contents/17.html より

原発事故以来もっとも間違って使われているのが「単位」です。

数字は同じでも最後につく単位で意味はまったく異なります。

紛らわしい単位はBq(ベクレル)、Gray(グレイ), Sv(シーベルト), Sv/h(毎時シーベルト)などです。

Bq(ベクレル)
不安定な放射性同位元素が安定化するために放射性壊変します。

ある放射性物質においてそこに含まれる原子が1秒間に何回壊変するかを表したものがBq(ベクレル)です。

同じ原子が何回壊変するかではなく、ある放射性同位元素の中にある膨大な数の原子の中で何個の原子が壊変するかを表したものです。Bqはあくまで壊変数を表したものであり、放出される放射線の種類や強さは関係ありません。
実際には、1秒間当たりの計数cpsや1分間当たりの計数cpmで使われることが多いです。

放射性物質内の壊変数を表します

Gray(グレイ)
放射線の照射により単位質量(1kg)あたりに物質が吸収するエネルギー量(J/kg)を吸収線量と呼びます。

電離放射線(ガンマ線、エックス線)によって物質1kg1あたり1J(ジュール)の仕事に相当するエネルギーが与えらられるときの吸収線量を1Gray(グレイ)といいます。(1ジュールは標準大気圧(1気圧)で20℃の水1グラムを約0.24℃上昇させるエネルギーに相当)
単位は [J/kg] の代わりにグレイ [Gy] が使われます。※1989年まではrad(ラド)という単位が使われていました。1Gray=100rad
Ci(キューリー)で呼ぶこともできます。1mCi =37MBq

単位質量あたりに放射線から受けるエネルギーの吸収線量を表しています。(エネルギーが物質にどれだけ吸収されたか表します)

Sv(シーベルト)

Gray(グレイ)が単なる物理量なのに対して、Sv(シーベルト)は放射線が人体(生体)に与える影響を考慮した値となります。一般的に生態に与える影響=被ばくの大きさを表す値として使われます。
<GrayとSv>
放射線が生体に与える影響(吸収されるエネルギー量)は放射線の種類によって違います。
単なる物理量であるGrayに生態に与える影響を加味するための係数(放射線加重係数)をかけたものがSv(シーベルト)です。
放射線加重係数:人体(生体)が放射線から受ける影響を加味するための係数

つまり同じ吸収線量(Gray)でも放射線の種類によって生体が受ける影響は1~20倍の違いがあることになります。

人体(生態)に対する影響を考える場合、Sv(シーベルト)という単位は大きすぎるため、通常はmSvやμSvが使われるます。

Sv/h(毎時シーベルト)
1時間当たりの放射線が生態へ与える影響(被ばく)の大きさを表す単位

日本の法令上は線量当量率としてSv/h(シーベルト毎時)が定義されている。

1Sv/hは1時間で1Svの影響(被ばく)を受ける強さを表す。

混同されやすい単位

◎放射線の単位で混同されやすいのは、Bq(ベクレル)とSv(シーベルト)です。

ベクレル  :; 単に1秒間当たりの壊変数(=放射線数)を表したもの
シーベルト:; 実際に生態への影響を加味したもの

単位の桁もまったく異なります
例)131I  100000000000Bq = 5Sv (1mの距離で)

放射線の測定器でもBqを測定できるものと、SvやSv/hが測定できるものがあります。

◎もう1つはSv(シーベルト)とSv/h(シーベルト毎時)です。

リポーターが線量計(ガイガーカウンタ)を手に興奮気味に〇〇Svです!!と叫んでいることがありますが、
Svなのか、Sv/hなのかしっかり聞きましょう。

いずれにしても、単位によって意味が違いますので注意が必要です。

ある地点での空間放射線量を定期的または連続的に測定し監視することを空間線量モニタリングといいます。またそのモニタリングを行う据え置き型の装置をモニタリングポストと呼びます。

モニタリングポストには電力会社が設置したもの、地方自治体が設置したもの、放射性同位元素を扱う医療機関や研究機関が設置したものがあります。電力会社や地方自治体では測定結果をWEBで公開しています。

女川原子力発電所HPより

モニタリングポストの種類

モニタリングポストには、
① 平常時における空間の微量の放射線量を測定
②原子力事故などで空間に大量の放射性物質が飛散した場合の測定
の2つの役割があります。

この二つは、測定する放射線量のレンジ(範囲)がまったく違います。そのため地域によってはより正確に放射線量の測定をするために異なるタイプのモニタリングポストを設置しています。

高線量の測定が得意な電離箱式ものと低線量の測定が可能なNaIシンチレータ式のモニタリングポスト

環境の放射線量率の測定には、通常はガンマ線を対象に行われます。それに適した検出器であると蛍光作用を利用した「シンチレーション検出器」や電離作用を利用した「電離箱式検出器」がよく用いられます。一部の地域では、中性子線も対象として測定を行っています。
モニタリングポストで測定されている放射線量の表示単位
モニタリングポストで観測しているのは空間放射線量率です。
ガンマ線による空気吸収線量率(Gy/h:グレイ毎時)という物理量を測定しています。
測定しているのは物理量として計測される空気吸収線量率(Gy/h)ですが、公開時は人体への影響の大きさを表す線量当量率(Sv/h:シーベルト毎時)に換算して表示しています。

※環境放射線モニタリング指針(旧原子力安全委員会)では、 1[μGy/h](マイクログレイ毎時) = 1[μSv/h](マイクロシーベルト毎時)として換算することされています。
測定されたデータの利用

測定されたデータは各地域の放射線量の経時的な記録や原子力に関連した事故や災害が起きた場合の住民避難などの対策に使われます。

現在では福島原発の事故後の各地域の放射能汚染の動向監視が主な目的として使われています。

福島原発事故以降、国や市町村ではモニタリングポストの増設をしていますが、特に事故周辺地域においては、不足しているとの指摘も出ています。今後は日本各地での増設と安定した監視体制の整備が課題といえます。

モニタリングポストには、測定する放射線の強さに応じていくつか種類があります。

モニタリングポストなかでも拠点となる地点には観測局が整備されています。
観測局には空間放射線量率を測定する装置のほか気象観測機器など多くの観測機器を装備されています。

<低線量用検出器(NaIシンチレーション検出器)>
比較的低線量の測定にはNaIシンチレーション検出器が使われます。
空間から放射線(ガンマ線)がNaIの結晶(シンチレータ)に飛び込むと、一瞬だけ発行します。その光を光電子増倍管と呼ばれる光を増幅する装置(ダイノード)で増幅し、電気信号に変換します。その電気信号から放射線を検出します。
数ナノGy/h(1/1000000000Gy/h)という超低線量まで正確に測定が可能です。
その一方で飛ぶ込む放射線の量が大きすぎると、発光量が多くなりすぎて正確な測定ができなくなります。そのため高線量の測定には向きません(上限は数マイクロGy/h=1/100000Gy/h位まで)

<高線量用検出器(電離箱式検出器)>
高線量の測定には電離箱式検出器が使われます。
検出器の中はガス(安定なアルゴンガスなど)で満たされています。また二つの金属板(陰極、陽極)が設置されていて高い電圧がかかっています。空間から放射線(ガンマ線)が飛び込んでくると、ガスは電離しプラスのイオンと電子(マイナス)に分かれます。電圧が掛かかっているためプラスイオンは陰極に、電子は陽極に引っ張られ、その結果電極間に電気が流れます。それを検出して放射線量を測定します。ガスを分離するにはある程度のエネルギーが必要なため低線量の測定には向いていません。100mGy/h(1/10Gy/h)程度まで測定が可能です。

電力会社、地方自治体が設置しているモニタリングポスト、関連サイト

原子力規制委員会サイト(全国)
環境放射線等モニタリングデータ公開システム
全国の放射線量情報
新・全国の放射能情報一覧
可搬型サーベイメータによる広域なエリアの空間線量調査

<各都道府県独自サイト>
※独自計測が無い場合は原子力規制委員会のHPへリンクしています

北海道
北海道放射線モニタリング総合サイト
青森県
青森県原子力センター
岩手県
岩手県公式ホームページ
宮城県
東北電力HP:女川原子力発電所周辺
放射能情報サイト宮城
秋田県
秋田県 生活環境部
山形県
山形県公式HP
福島県
福島県公式HP
福島県原子力センター
茨城県
茨城県放射線テレメータ・インターネット表示局
栃木県
とちぎの空(IE6以降のみ対応))
群馬県
高崎粒子応用研究所
原子力規制委員会HP群馬県
埼玉県
原子力規制委員会HP埼玉県
千葉県
環境放射線モニタリングシステム
東京都
東京都健康安全研究センター
神奈川県
神奈川県安全防災局危機管理対策課 環境放射線モニタリングシステム
新潟県
新潟県環境放射線監視テレメータシステム
原子力規制委員会HP新潟県
富山県
環境放射線モニタリングシステム
石川県
危機管理監室 原子力安全対策室
福井県
福井県原子力環境監視センター
山梨県
原子力規制委員会HP山梨県
長野県
長野県公式サイト
岐阜県
岐阜県公式サイト
静岡県
浜岡原子力発電所周辺
静岡県環境放射線監視センター周辺地域
愛知県
原子力規制委員会HP愛知県
三重県
原子力規制委員会HP三重県
滋賀県
滋賀県環境放射線モニタリングシステム
京都府
京都府環境放射線監視テレメータシステム
大阪府
大阪府環境放射線モニタリングシステム
兵庫県
兵庫の環境
奈良県
原子力規制委員会HP奈良県
和歌山県
原子力規制委員会HP和歌山県
鳥取県
鳥取県環境放射線モニタリングシステム
島根県
島根県原子力安全対策課
岡山県
岡山県公式HP
広島県
県立総合技術研究所 保健環境センター
原子力規制委員会HP広島県
山口県
原子力規制委員会HP山口県
徳島県
原子力規制委員会HP徳島県
香川県
原子力規制委員会HP香川県
愛媛県
愛媛県原子力センター
高知県
原子力規制委員会HP高知県
福岡県
福岡県公式HP
原子力規制委員会HP福岡県
ふくおか放射線・放射能情報サイト
佐賀県
佐賀県環境放射線モニタリングシステム
長崎県
原子力規制委員会HP長崎県
熊本県
原子力規制委員会HP熊本県
大分県
原子力規制委員会HP大分県
宮崎県
原子力規制委員会HP宮崎県
鹿児島県
鹿児島県環境放射線テレメータシステム
沖縄県
原子力規制委員会HP沖縄県

一般的に放射線を測定するための測定器は「ガイガーカウンター」と呼ばれています。

ガイガーカウンターは測定器の一種であるGM管(ガイガーミュラー計数管)を使ったものを指しています。

その他にもシンチレーションカウンタや半導体検出器などがあります。

それぞれの特徴がありますので目的に合わせて使われます。

空間線量や積算線量の測定
<シンチレーションカウンタ>
シンチレータという放射斜線が当たると発光する物質を使ったシンチレーション式のシンチレーションカウンタが適しています(エネルギー補償ありのものはより正確な測定が可能です)

市販されているシンチレーションカウンタ(ALOKA社製)

シンチレータに飛び込んできた放射線は一瞬だけ発光します。この発光はわずかな光ですが光電子増倍管と呼ばれる装置で光を増幅することができます。この光を電気信号に変えて放射線の測定をします。
このとき測定精度は一定ではありません。放射線の強さによって測定誤差が異なります。放射線のエネルギーが高いと検出されず通過してしまう放射線線量が増えるためです。エネルギー補償機能のついている機種はエネルギーの強さによって係数を変え、より正確な値を出すことができます

<GM式カウンタ>
GM管(ガイガーミュラー計数管)も使われます。GM管はアルゴンやヘリウムなど不活性のガスを封入した検出器です。内部には陽極と陰極の二つの金属板がある高い電圧がかかっています。
ガスに放射線が当たるとガスはプラスイオンとマイナスの電子に分かれます。高い電圧がかかっているためプラスイオンは陰極に、電子は陽極に引っ張られそれが電流として検出されます。

市販されているGM計数管(ALOKA社製)

GM管(ガイガーミュラー計数管)を使用したガイガーカウンターは,シンチレーション式より感度が劣るため, 低い線量では測定値が安定しにくく,時間がかかる傾向があります.

表面汚染の測定

放射性物質が付着した場合を汚染したと表現します。この汚染の程度をはかるために表面汚染の測定が行われます。表面汚染測定の対象となるのは主にβ線(ベータ線)です。β線の飛ぶ距離(飛程)は非常に短く核種によっては数mmのものもあります。
(ベータ線のエネルギーと飛程の関係)

ベータ線の測定にはGM計数管方式のものが適しています。(ベータ線はガンマ線に比べ透過力が低いため
GM計数管内のガスを分離する割合が多く、計数率が高いため)

GM計数管は高い電圧がかかっており、1本の放射線によってガスが電離すると、次々と相互作用によって次々と電離が引き起こされていきます(電子なだれ)。そのため検出した放射線の持つエネルギーと出力される信号には比例関係が成り立ちません。よってGM計数管では入射した放射線の数は分かってもエネルギーを知ることはできません。

そこで計数率から換算する方法が用いられます。R:レントゲンは昔使われていた単位

これはCs-137で校正されたGM管での換算表です。しかし0.66Mevのガンマ線から外れたレンジでの計測は誤差が大きくなります。いずれにしてもシンチレーションカウンタにくらべ精度は大きく下がります。

サンプルの放射線スペクトルの測定
<半導体検出器>

半導体を利用した放射線検出器である。 主にシリコンまたはゲルマニウムが用いられます。シンチレーション検出器など に比べエネルギー分解能にすぐれているのが特徴です。ガンマ線スペクトルを解析することによる核種の同定などが可能です。食品に含まれる放射線核種の同定などに多く使われています。

と放射線スペクトル

食品やサンプルに含まれる極微量の放射線の測定を行うため、外部からの放射線(自然放射線)の影響を防ぐため厚い鉛で遮蔽する必要があります。

福島の原発事故以来環境放射線に対しての関心が高まり、それ依頼さまざまな種類の放射能測定器が発売されています。

放射能測定器は、大きく分けて原発や研究所で使われる高精度で高価なものから、家庭など個人で使える簡易的なものに分けられます。

高価なものと簡易的なものの大きな性能の違いはエネルギーレンジの差です。高価なものはごく微量な放射線から放射能漏れなどによる大線量も測定できるように作られています。
また測定の間隔である時定数や表示値のレンジを変えることができます。高精度を保つためには、定期的な校正作業が必要です(メーカーで有料行う)

それに対して簡易型はある程度決まった範囲の放射能を測定するように作られています。といっても環境中にあるごく微量の放射線を測るには十分な範囲をカバーしています。
時定数が変えられませんが、測定器ごとに決められた測定時間で測定すれば十分に精度良く測定できます。

市販されているおすすめ簡易型測定器

機種によってAmazonと楽天で最安値が大きく違いますので、比較することをおすすめします。

エステー化学 エアーカウンターS : 半導体センサー方式

日本のエステー化学社製の半導体センサー方式の線量計です。空間のガンマ線の測定が可能です。スティック式で非常にコンパクトで一見体温計のような形状です。
測定は35秒後から予測値の表示が始まり2分で結果がでます。以後は10秒ごとに更新されます。測定範囲は0.05μSv~9.99μSVと実用には十分な範囲です。
誤差は±20%です。重量は60gと非常に軽量です。
少しノイズに弱く電子機器から話して使う必要がありますが、精度は高価格帯(10万円以上のもの)のものと比べても遜色ありません。
地面から1m離して測定を行います。
お値段も手頃ですので、一家に一台(一人1台)備えておいてもいいかもしれません。

ロシア製Geiger counter(ガイガーカウンター) RD1503 :ガイガーミュラー方式

Geiger counter(ガイガーカウンター) RD1503 です。
ロシア製のガイガーミュラー式の測定器です。ガンマ線の測定が可能です。
チェルノブイリの原発事故があったためロシアでは個人で使える測定器が普及しています。
測定時間は約40秒です。測定範囲が0.05~9.99μ/hまでで実用上十分な範囲まで計測できます。放射線のレベルによってアラーム警告の設定ができます。
測定誤差は0.1~1μSVの線量で20%です。
見た目は大きいですが実際は100g程度(スマートフォン並み)
線量は少し高めに出る傾向にあるようですが、実用上は問題なないレベルです。

ロシア製 SOEKS 01M ガイガーカウンター(放射線測定器) : ガイガーミュラー方式

日本版SOEKS 01M ガイガーカウンター(放射線測定器)ファームウェア最新2.0L-JP
ロシア製のガイガーミュラー方式の線量計です(日本版なので使用方法等も問題ありません)。この製品はガンマ線だけでなくベータ線の測定も可能です。よっ他の線量計にできない使用法も可能です。(建材や肥料からなどに含まれるベータ線核種からのベータ線の検出など測定範囲は0.03~1000μSv/hです。バッテリー駆動時間は10時間と少し短めです。(液晶表示のため。エネループ使用可能)

日本精密測器(NISSEI) 空間線量計 RADCOUNTER DC-100 : シンチレーター方式

日本精密測器(NISSEI)製のシンチレーター方式の線量計です。
日本で開発・製造をしている純日本製ですので、高い信頼性と厚いサポートが期待できます。
高性能・高感度で耐久性の高いシンチレータ方式を採用しておりリアルタイム測定が可能です。その他の特徴としては
・999時間まで放射線量が可能ですので、固定設置が可能です。
・ 0.01マイクロSv/h単位で測定できますので、微量の放射能まで測定できます。
・ シンチレータ方式なのでガイガーカウンター式と比較して落下にも強くこわれにくいです
・ 小型、軽量(約62g:電池なし)で持ち運びが楽チンです。
・ 放射線を検出するとブザー音とLCDの表示でお知らせするので、ホットスポットに入るとすぐに分かるため安心です。
・入手の容易な単4サイズの電池が使用できます。

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