
加湿器は、乾燥する季節の必需品になりつつあります。
室内の湿度調整に手軽に利用できますが、適切に管理しないと内部でカビや雑菌が繁殖し、健康に悪影響を与える「加湿器病」の原因となります。

除湿器を安全に使うには定期的な加湿器の除菌が必要です。
今回は、加湿器の除菌方法、注意点、除菌機能付きの製品、そして除菌をサボった場合のリスクについて詳しく解説します。
1. 加湿器を使う時の除菌の重要性


加湿器は加湿に使う水が内部にあるため、長時間水分にさらされます。
そのため、タンク内やフィルターに水垢や雑菌が蓄積しやすく、特に長期間使用する場合には定期的な除菌が欠かせません。
放置された加湿器では、水に含まれる雑菌がミストと共に空気中に放出され、室内にカビや病原菌が広がることがあります。
死亡事故も出ています
特に問題となるのが「レジオネラ菌」です。レジオネラ菌は、温水で繁殖しやすく、加湿器のミストを通じて空気中に広がります。
それを吸い込むと肺に感染を引き起こします。特に免疫力が低い高齢者や乳幼児にとっては、重篤な呼吸器感染症を引き起こす可能性があります。
加湿器から飛散したレジオネラ菌による死亡例
2017年12月、大分県国東市の老人ホームで80歳代の男性が2人レジオネラ肺炎。2018年1月にもショートステイ利用の90歳代の男性が1名発症して死亡。
風呂場、空調機器、加湿器の検査をしたところ、加湿器2か所から検出。
加湿器は超音波式で、水は毎日交換、週に一度はブラシで洗浄されていた。
※2018年9月 大分合同新聞
2. 加湿器の除菌方法


加湿器を清潔に保つためには、定期的な除菌作業が必要です。一般的な除菌方法を紹介します。
A. タンクの掃除
加湿器のタンクは、最も雑菌が繁殖しやすい場所です。
タンク内に水を放置すると、カビや水垢が発生する可能性が高くなります。
そのため、毎日の水の交換と、1週間に1回はタンク内部を洗浄することが推奨されています。
タンク内を洗う際には、食器用洗剤を使ってしっかりと洗浄し、その後十分にすすぎます。クエン酸や酢などの弱酸性の洗浄剤も効果的で、特にカルキの付着を取り除く際に有効です。
B. フィルターの洗浄
気化式やハイブリッド式加湿器には、フィルターが使用されています。
フィルターは常に水分にさらされているため、カビや雑菌が発生しやすくなります。
定期的にフィルターを取り外し、水で洗浄することが重要です。
使用頻度にもよりますが、1~2週間に1度のフィルター洗浄が推奨されています。洗浄後は十分に乾燥させることが大切です
C. 加湿器の内部パーツの清掃
加湿器の内部、特にミストが発生する振動子部分や水を循環させるパーツにも汚れが溜まりやすいです。
これらの部分も定期的に取り外して洗浄し、除菌する必要があります。加湿器専用のクリーナーや、酢やクエン酸を水に薄めたものを使用すると効果的です。
また、超音波式の加湿器の場合は、カルキが振動子に付着して動作不良を引き起こす可能性があるため、こまめに清掃することが推奨されています
3. 除菌機能付きの加湿器


近年、加湿器自体に除菌機能が備わっているモデルも増えてきました。
これらの製品は、UVライトや銀イオン、抗菌フィルターなどを利用してタンク内の雑菌の繁殖を抑えることができます。
A. UV除菌機能
UVライトを使用してタンク内の水を照射し、細菌やウイルスの繁殖を防ぐ機能です。
この技術は、紫外線による殺菌効果を活用しており、水が清潔な状態を保つことができます。
UV除菌機能付きの加湿器は、特に忙しくてこまめに手入れができない方におすすめです。
B. 銀イオンフィルター
銀イオンフィルターは、抗菌効果のある銀を利用したフィルターで、タンク内に取り付けられていることが多いです。
銀は強力な抗菌作用を持つため、タンク内の水の中で菌が繁殖するのを抑える効果があります。
ただし、フィルター自体の定期的な交換が必要です。
4. 除菌をサボって使用するリスク
加湿器の除菌を怠ると、空気中にカビや雑菌が放出されるため、健康被害を引き起こす可能性があります。
最もよく知られている健康リスクが「加湿器肺」と呼ばれる病気です。
加湿器肺は、加湿器から放出された微生物やカビ、化学物質が原因で引き起こされるアレルギー性肺炎です。
症状としては、咳、発熱、呼吸困難があり、場合によっては長期にわたる肺の損傷を引き起こすこともあります
さらに、汚れた水から発生したカビや雑菌は、特に免疫力が低い人々にとって深刻なリスクとなり、アレルギー反応や喘息を悪化させる原因となります。
特に小さな子供や高齢者がいる家庭では、加湿器の衛生状態を常に保つことが重要です。
5. 効果的な除菌をするには
加湿器の除菌をより効果的に行うためには、以下の4つがポイントとなります。
- 毎日水を交換する:タンク内に水を放置すると、数日で雑菌が繁殖する可能性が高くなります。そのため、毎日新しい水に交換することが推奨されています。
- 定期的にタンクを洗浄する:水を入れ替えるだけでなく、1週間に1度はタンク内をしっかりと洗浄し、特にカビが発生しやすい部分を丁寧に掃除します。
- 加湿器を使用しない時期はしっかりと乾燥させる:加湿器の使用をやめる季節には、内部を完全に乾燥させてから保管することが大切です。湿ったまま放置すると、カビが発生しやすくなります。
- 市販の除菌剤を利用する:加湿器のタンクの部分に除菌剤をいれることで、タンクやフィルターの除菌が簡単にできます。
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6. おすすめの除菌付き加湿器
最後に、除菌機能付きのおすすめ加湿器をいくつか紹介します。
- 象印 EE-RP50: スチーム式で、沸騰による自然除菌機能があり、タンク内部を常に清潔に保つことができます。


アイリスオーヤマ UHK-500: UV除菌機能付きで、さらに上部給水型のため、手入れが非常に簡単です。


パナソニック FE-KXF15: 気化式で、抗菌フィルターが付いており、雑菌やカビの繁殖を防ぎながら加湿できます。
まとめ
加湿器を清潔に保つことは、健康を守るために非常に重要です。
除菌機能付きの加湿器を選ぶことで、手入れが楽になり、衛生的な空気を供給することができます。
すでに加湿器をお持ちであれば、今回紹介した方法で除菌をしたり、除菌剤を利用して清潔にお使いください。
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