MRIは病院で行われる画像検査の一つです。
同じ検査内容であれば、検査費用は同じはずですが、実際は少し変わります。
この記事では、MRI検査料の決まり方と、毎回料金が変わる理由を紹介します。
診療報酬や薬剤で検査料が変わる仕組みがわかれば、納得して検査が受けられます。ぜひ一度読んでみてください。
1.MRIの料金はMRI装置の磁場強度で変わる
検診などを除けば、MRI検査は保険診療で行われます。
そのため、MRIの検査費用は診療報酬できまります。
診療報酬の点数は。1点=10円です。 点数に10円をかけると、料金(円)がでてきます。
磁場強度と保険点数
MRI装置には磁場強度というのがあります。装置が発生させている磁力の強さを表しています。磁場強度(磁力)が強いほど、短時間で高解像度の撮影ができます。
診療報酬上は高磁場の装置ほど検査料は高く設定してあります。
医療用としては磁場強度が0.2~3.0テスラのMRIがあります。1テスラは10000ガウスという磁力に相当します。
診療報酬では、3テスラ以上は1620点(16200円)※、1.5テスラから3テスラ未満では、1330点(13300円)となります。※共同利用施設の場合
それより低い磁場強度の装置では900点(9000円)となります。
2.MRIの料金は撮影内容で変わる
MRI検査はさまざまな撮影の仕方があります。
目的に応じていくつかの撮影を組み合わせますが、特殊な撮影をすると加算が付き料金が高くなります。
- 心臓MRI撮影を行った場合はプラス400点(4000円)※1
- 造影MRI検査を行った場合はプラス250点(2500円)
- 乳腺(乳房)MRI検査を行った場合はプラス100点(1000円)※1
- 3T以上のMRIで頭部MRI検査を行った場合はプラス100点(1000円)※2
※1 厚生労働大臣が定める施設基準に適合し ているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、1.5テスラ以上のMRI装置を使用して頭部の画像を撮影した場合に限り算定する。
※2 厚生労働大臣が定める施設基準に適合し ているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、3テスラ以上のMRI装置を使用して頭部の画像を撮影した場合に限り算定する。
加算がついている検査は、かなり特殊な検査です。
3.MRIの料金は造影剤の量や種類で変わる
MR検査で使われるガドリニウム造影剤は血管内に注射すると血流にのって体中に広がります。
特殊な撮影法によって造影剤を画像に映し出すことができるため、腫瘍などの病変部や炎症部をくわしくみたり、血管構造を見ることができます。
造影剤は高い!
造影剤は非常に高いため、検査費用のかなりの部分を占めます。
使用量は体重で決まります。一般的にGd造影剤は体重10㎏あたり2mlを使います。つまり、50kgの人は10mlとなります。
5mlで5000円前後するため、50kgの人は10,000円かかることになります。
造影剤1本に入っている量は、10ml、13ml、15mlといった感じで分かれています。
例えば体重70kgの人は14mlの造影剤が必要となり、15ml入りを1本使うため、約15000円となります。(残りの1mlは廃棄になります)
つまり体重が重いほど費用は高くなります。以前より体重が増えていれば検査料も上がります。
その他の加算項目
その他にも検査費用はかわります。施設によってはコンピューター断層診断加算(月1回だけ)の450点や電子画像管理加算として120点が加わります。
MRI検査費用は、装置と撮影部位、造影剤、その他の加算を足したもの
例えば、体重70kgの人が3Tの装置で頭部の造影MRIをした場合
1620点(3T装置)+250点(造影検査)+100点(3Tの頭部加算)+15000円(造影剤代)+450点(コンピューター断層診断加算)+120点(電子画像管理加算)=40400円
同じ人が1.5T装置で頭部の単純撮影をした場合は
1330点(1.5T装置)+450点(コンピューター断層診断加算)+120点(電子画像管理加算)=19,000円
となります。
装置の磁場強度と造影剤の量でこんなにも検査料に差がでます。
窓口で支払うMRIの料金の目安
MRI検査にかかる費用は、これまで紹介した内訳できまります。
仮に40,400円として、保険診療であれば
1割負担の方は4,040円、3割負担の方は1,2120円の支払いになります。
まとめ:MRIの費用が毎回違う理由は2点
もし、同じ病院で同じ部位のMRI検査をしたのに、費用が変わったとしたら、その理由は以下の2点になります。
- 撮影に使用した装置の磁場強度(磁力の大きさの違い)
- 造影剤の量や種類
コメント