MRIがうるさい理由は磁石の振動だった!検査の仕組みと苦手な人の対処法を解説

ども、ゴマメです。

病院で行われるMRI検査は、狭くてうるさくて、しかも時間が長い検査です。苦手な方も多いのではないでしょうか?

MRIから出てくる音は、電磁石が振動するためです。

今回は、うるさい音がする理由検査時間が長い理由苦手な人の対処法を紹介します。

MRI装置は大きな電磁石


出典:済生会宇都宮病院

MRI装置の中心には巨大なトンネルがあります。トンネルの周りにはコイルといわれる電磁石がいくつも内蔵されています。

強力な磁場を作り出しているのは、静磁場コイルです。静磁場コイルに電流を流して磁力を作りますが、そのままだと発熱をしてしまったり、たくさんの電気が必要です。そのため、MRI自体を液体ヘリウムで冷却しています。

冷却することで電気抵抗を限りなくゼロに近づけてロスをなくしています。

MRI室に入ると、一定のリズムで「シュコシュコ」と鳴っているのがわかりますが、それは液体ヘリウムを循環させているポンプの音です。

磁場を均一にするために狭く作られている

MRI装置には長いトンネルがあります。

検査のときは、ベッドに横になってそのトンネルに入っていきます。装置にもよりますが、トンネルの長さは約2mです。

トンネルの大きさは直径60cm程度ですのでかなり狭く感じます。(一般的なマンホールの直径と同じくらいです)

MEMO
MRI検査では、装置内に強力な磁場を作り出していますが、きれいな画像を撮るにはトンネル内の磁場を均一にする必要があります。そのため、トンネルをあまり広くすることができません。

撮影する部分をトンネルの中心に移動する

トンネルは約2mですが、磁場が均一な場所で撮影するため、撮りたい部分をトンネルの中心に移動させていきます。

つまり、脳を撮るなら頭はトンネルの真ん中に、お腹を撮るならお腹がトンネルの中心になります。

足を撮る場合は、足からトンネルに入るので、頭はトンネルの外にでます。

撮影する部位にコイルを巻き付ける

MRIでは、撮影する場所にはコイルといわれるアンテナを付ける必要があります。

頭の検査の時はヘルメットのようなコイルを付けます。鏡がついていて外が見えますが、圧迫感がかなりあります。


出典:SIEMENS.com

胸部や腹部の撮影の時には、平らなコイルを上にのせます。

膝などは、小さな筒状のコイルを使います。

狭いトンネルに入るだけでなく、コイルを巻き付けるためよけいに狭く感じます。

MRI検査でうるさい音がする理由

MRI検査の一番の特徴は、大きな音です。

この音が嫌で、MRIが苦手な人も多いようです。

MRIの音の正体は電磁石の振動


出典:済生会宇都宮病院

MRI検査のときにでる音の正体は、装置の振動です。

MRI装置は、大きな電磁石です。全体に大きな磁場を作る出す静磁場コイルと撮影中に磁場を変化させる傾斜磁場コイルが内蔵されています。

傾斜磁場用の電磁石が振動すると大きな音が出る

撮影中は、3つの傾斜磁場コイルを使って3方向から磁場をかけています(X-Y-Z 傾斜磁場)。

撮影中はその傾斜磁場の強さを常に変化させています。そのため、電流の強さを変化させたりON/OFFを繰り返します。

電流ONで磁場が発生すると、電磁石に力が働き動きます。

昔、「フレミング左手の法則」というのを学校でならったことがあると思いますが、磁場と電流に垂直な方向に力が働き、コイル自体が動きます。電流OFFで磁場と力が消えて電磁石が元の位置に戻ります。

この工程が超高速で繰り返されるため、傾斜磁場用の電磁石の振動が大きな音となります。

電磁石にかかる力とは?

  • 学生時代にならった、フレミングの左手の法則を思い出してください。
  • 電流が流れて磁場が発生すると垂直方向に力が働きます。この力が電磁石を動かします。

MRI検査中はこんな音

実際にはこんな音がします。

音の大きさや種類は、撮影の種類によって違います。また、装置の機種によっても音は全然違います。

MRI検査が長い理由

MRI検査は時間のかかる検査です。20~40分は当たり前です。

それは、検査技師が手間取っているわけでも、のんびりとっているわけでもありません。

これにはMRIのしくみと検査内容が関係しています。

時間がかかる原因

  • 原理的な要因のため(時間をかけないときれいな画像がとれない)
  • いろいろな種類の画像を撮るため
  • いろいろな方向から画像を撮るため

ノイズを減らすために時間をかける必要がある

MRIの原理は非常に複雑であるため、ここでは詳しく触れませんが簡単に書くと・・・

強い磁場の中に入る⇒体の水のプロトンが同じ方向を向く⇒電波(RF)パルスを照射する⇒プロトンがエネルギーをもらって励起する⇒電波を切るとプロトンが元に戻る(元に戻るスピードは組織(水や脂肪、筋肉など)によって違う)⇒元に戻る速さによって、コイルに誘導される電流の強さが変わる⇒その強弱を画像化する

MRI検査では、体の中の小さな磁場の変化をとらえて微弱な電流に変換しています。そこにはノイズも含まれるたため、時間をかけて何回も測定する必要があります。細かくとればとるほど時間がかかります。

何種類もの画像を撮影している

1回のMRI検査では、数種類の撮影が行われますす。

ゴマメ

より詳しい検査だと10種類近くになります。

目的別に撮影法を紹介します。

MRA (MR Angiography)

MRAは脳の血管を見るための撮影です。

出典:http://www.ryeradiology.com

スライス面に血液が流れ込むときに高信号になる性質を利用しています。

動脈瘤や血管の狭窄の有無や程度を見ることができます。

脳の基本的なMRI画像

スクリーニング検査として撮られることが多いのが、T1強調画像、T2強調画像、FLAR画像です。

T1強調画像

T1強調画像は、解剖学的な情報がよくわかります。萎縮や奇形などの状態がよくわかります。

海馬の萎縮@T1強調画像

T2強調画像

T2強調画像は、水の成分をよく見る撮影です。病変の周りは水分量が変化することが多いので、病変の検出に優れます。

FLAIR画像

FLAIR画像は、水の信号を抑制した画像です。脳組織の変性や古い梗塞、腫瘍性の病変がよくわかります。

DWI(拡散強調画像)

DWI(拡散強調画像)は、急性期の脳梗塞の検出に絶大な威力を発揮します。その他にも、腫瘍性病変の検出にも優れ、ADCなどにより鑑別診断にも使われます。

白い部分が急性期の脳梗塞

Gd造影検査

その他に、ガドリニウム造影剤を使った造影検査を行うことがあります。

基本的には、造影後はT1強調画像が撮像されます。造影剤は血管内に注射で投与しますが、脳の血管にはBBBという構造があるので血管外にでることはありません。

しかし、腫瘍や炎症、脳梗塞などでBBBに異常がでると脳の組織内に漏れ出します。その様子を画像化することで、病気の有無や種類、程度を調べます。

ガドリニウム造影剤は、副作用が少ないですが、気管支喘息の人には禁忌または慎重投与になります。

MRIはいろいろな画像を組み合わせて病変を見つけ出す

T1Wでは側脳室の圧排があるのがわかります。FLAIRでは、病変によって水分が増えている浮腫がわかります。

ガドリニウム造影剤では、腫瘍の本体が白く染まっています。

MRIの検査時間は15~40分程度

MRI検査は、これら以外にも目的に応じてさまざまな撮影を行います。一つの撮影に2~4分程度かかります。そのため、検査には時間がかかります。

検査時間の目安としては、造影なしの単純撮影では15~20分造影検査も加えると20~40分程度です。

手術前など詳しい検査をするときはもっと長くなることもあります。

MRI検査が苦手な人の対処法

MRI検査は大きな音がする狭いトンネルに、長時間入っていなければならない検査です。

頭の撮影であれば、鏡で足元を見ることはできますが、やはり圧迫感があります。

普通の生活では経験することのない状況です。今まで狭いところが苦手だと思っていなくても、MRI検査をして初めて閉所恐怖症に気づく人もいます。

目をつぶる

狭いという感覚は、視界の狭さが大きな原因です。トンネルに入り前から目をつぶりましょう。

ほとんどの方はコレで頑張っています。

安定剤を出してもらう

もともと狭いところが苦手なら、事前に医師に相談して安定剤を出してもらったり、他の検査に切り替えてもらいましょう。(安定剤は検査室では出せないので、予約の時に医師に伝えましょう)

※安定剤を飲むと車の運転が制限されることがあります。

耳栓やヘッドホン、DVDで乗り切る!

ほとんどの施設では、ヘッドホンで音楽を流したり、耳栓をして検査を行います。希望すれば両方できるところもあります。

撮影時に担当の技師さんに聞いてみましょう。

広い装置やDVDが見られる装置を希望する

最近は、トンネルが広いタイプのMRI(直径が+20cm)や撮影中にDVDを見ることができる装置もあります。

ただし、十分には普及していませんので、事前に確認しておきましょう。

まとめ

MRI装置内の声は操作室に聞こえる仕組みになっています。緊急用のブザーも渡されますので、途中で怖くなったり気分が悪くなったらいつでも連絡できます。

今回紹介した方法で、チャレンジしてみてください。

MRIは、狭い+長時間の大変な検査ではありますが、CTやレントゲンと違って放射線の被ばくがなく、病気が詳しくわかる大切な検査です。

現場で担当の技師さんに話して、撮影時間を短くしたり(ただし画質は低下します)、休みながら検査をしてもらいましょう。

ゴマメ

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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。(ゴマメ)

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