2019年の10月に特定処遇改善加算が創設され、半年後の2020年に改正が行われました。
報道などでは「8万円の昇給」という言葉が一人歩きしましたが、実際に介護福祉士の給料が8万円上がったのでしょうか?るのでしょうか?
今回は、介護士の待遇改善として導入された特定処遇改善加算について解説するとともに、具体的にどれくらいの給料が上ったのかをお話します。
特定処遇改善加算で何がかわる?どれだけ昇給するの?
2019年の10月から消費税率が8%→10%に引き上げられます。それに伴って介護施設の負担が増えるため、診療報酬の引き上げが行われます。
特定処遇改善加算は、消費税の増税を財源として「経験・技能のある介護福祉士を中心に処遇(給与等)改善を行う」ことを目的として創設されました。
処遇改善の目的は深刻な介護士不足の解消です
平成24年度介護報酬改定において設定された、介護職員処遇改善加算に加えて加算を受けることができます。
従来からある介護職員処遇改善加算とは?
平成24年に新設された介護職員処遇改善加算は、介護士の待遇改善を目的に作られました。
加算を受けるためには、下記のキャリアパス要件を満たす必要があります。どれを満たすかで受けられる加算が違います。
要件を満たし加算をとることができれば、そのお金を介護士の給与に反映させたり、職場環境の改善に使うことできます。使い方はある程度裁量が認められており、全介護士で等分しても、一部の介護士だけに反映することもできます。
]具体的にどれだけ昇給させるかは決められていませんでした。
特定処遇改善加算とは
特定処遇改善加算は、介護職員処遇改善加算に加えて特に介護福祉士の処遇改善を目的としています。
特定処遇改善加算(令和元年~)をとるには
新しく創設される特定処遇改善加算をとるには、決められた条件をクリアしなければなりません。
①介護職員処遇改善加算のⅠ~Ⅲを取得している。
②介護職員処遇改善加算の「職場環境等要件」に関し、いくつか取り組みをおこなっている。
③介護職員処遇改善加算に基づく取り組みについて、ホームページなどを通じて情報発信している。
となっています。
特定処遇改善加算での処遇改善のルール
処遇改善に関する最低限のルール
処遇改善に関して最低限のルールが決められています。
①経験・技能のある介護職員(リーダー級)の職員に対して
勤続10年以上の介護福祉士を基本とする経験・技能がある職員を指しています。
勤続年数が10年以上の介護福祉士がいなくても特定処遇改善加算は可能です。※勤続年数に関しては事業所の裁量に委ねられています。
月額8万円以上の処遇改善となるものが1名以上、または改善後の賃金が年収440万円以上となるものが1名以上いるように改善すること。
リーダー級の介護福祉士に関しては、他産業と遜色ない給与水準(440万円以上)を目指しています。
②その他の介護職員に対して
①に該当しない介護職員が対象です。
平均給与引き上げ額は、経験・技能のある介護職員(リーダー級)の職員より多くすることはできません。
平均給与引き上げ額が、その他の職員(非介護職員)の引き上げ幅の2倍以上となるように処遇改善を行う必要があります。
給与の昇給額はリーダー級の介護福祉士より少なく、その他の職員の2倍です。
③その他の職員
介護施設で働いている介護以外の職員(年収440万円以下の人)が対象です。
引き上げ額は②のその他の介護職員の2分の1を上回らないこと。
その他の介護職員の昇給の半分以下の昇給となります。
改善後の賃金額が440万円(※)を超えない時に処遇改善が可能となります。
改正によって、その他の介護職員とその他の職員の引き上げ上限額が増えた形になります。
これからは介護資格がないと損をする!
今回の介護報酬改定で、介護福祉士の待遇が一気に上がりました。介護士の不足解消に向けてこれからも加算などが追加される可能性が高いです。
その時に介護資格が有るか無いかで大きな差がでてきます。
介護資格がない人はまずは介護職員初任者研修を、すでに資格を持っている人はより上の資格を目指しましょう。
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